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ヤマトシジミ vs. カタバミ


ヤマトシジミ vs. カタバミ


シジミ蝶を追いかけていたら2つの特殊な関係を想起させる記事に当たった。有り難いことです。手強い雑草「カタバミ」と妖精のような蝶「ヤマトシジミ」には特別な関係がありました。


カタバミ

昔はこの草をトンボ草と呼んでいたようだ。無理やりトンボに食べさせていた。

(追)調べたら、トンボ草というものは別にあるようだ。それに見覚えが無いから、何処にでもあるカタバミで代用していたのだろう。

ヤマトシジミ

幼虫はアリ(蟻)と共生するらしい。このことも興味深い。一体、庭で何が起きているのか。



ヤマトシジミの幼虫

あの小さなカタバミの葉の裏に卵が産みつけられる。カタバミのを葉を食べて大きくなる。カタバミを切り取ったりするとヤマトシジミの卵とか幼虫も一緒に駆除していることになる。シバの間のカタバミは芝刈りで持っていかれてしまうので、どこか場所を決めてカタバミのゾーンを作っておくのが良さそうだ。

ヤマトシジミとアリの共生

アブラムシみたいに体から甘露を出してアリをおびき寄せ外敵から守ってもらう。外敵って誰?。アリが一番外敵に見える。天道虫かな。クモとか。蛙とか。
シジミ蝶の仲間にはアリの巣の中に運ばれて餌をもらって生きる種類もいるようだ。そういう強い共生関係にあるシジミ蝶はアリがいないが生存できない。



無知ほど怖いものは無い。可愛いシジミ蝶の生きる糧がカタバミだったとは驚いた。見つける鼻からカタバミを切りまくったり、除草剤をカタバミに塗ったり、目の敵にしていたが、これはとんでもないことをやっていた訳だ。

シジミ蝶の場所を確保してからでなければ雑草として処分してはいけない。庭を愛する。緑を愛する。蝶を愛する。こういう前提ではカタバミに手をつけることは慎重を要する。



それではカタバミをどのように管理すべきかを考察してみよう。

カタバミの育て方

 ヤマトシジミ蝶のためのカタバミの育て方です。

(1)雑草しか生えない場所。雨の当たらない日当たりの悪いゾーンはどうせ普通に植物を植えられないのでカタバミのエリアにします。 カタバミ以外の雑草は引き抜きます。因みに、カタバミの他にスミレ、クローバー、シバ、ジャノヒゲなどのグランドカバー類もOKにします。

(2)カタバミ用植木鉢。カタバミだけを育てる植木鉢を用意します。表面を平らにしてカタバミを数株植えて後は徹底放置。これは雨風の当たる普通の場所に他の植木鉢と一緒に並べます。植木鉢の有効活用のために、植木鉢には最初に腐葉土の材料(草・葉・枝・野菜など植物性素材を細かくカットしたもの)を入れ、その上に土を薄く平たく被せます。植木鉢の底の穴からミミズなどが入り込んで適当に処理します。土の中の菌類も植物の腐敗を助けてくれるはずです。



アリは困ったことにコニシキソウの種を巣に持ち帰ることでコニシキソウの確実な拡散に貢献している。程度によってはアリの駆除も必要だ。幸い、ヤマトシジミのアリへの依存度はそれほど高くなさそうですから、コニシキソウ駆除の間は気にしなくても良いでしょう。