寒冷地のイチジク
イチジクの剪定
サイトを読むと結構面倒なことが書いてある。
そもそもイチジクの自然樹形ってどんな格好をしているんだろう?。歪んだ樹形ばかり見せられると何が本来の形かすら分からなくなる。
イチジクの自然樹形
サイトを見ると自然樹形のイチジクなど殆ど見つからない。誰もかれも剪定だ収穫しやすいY字だ横広がりだとやっている。殆どすべてが歪んだ樹形のイチジクばかりだ。樹木として楽しむ輩は少ないようだ。基本は食用だからお猿さんと同じ発想でもしようがないね。
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秋果と夏果
- イチジクの果実(花)は実を付ける時期によって、秋果と夏果に区別するようだ。
- 秋果は理解しやすい。その年の春に伸びた新梢に花芽を付けて春・夏・秋と育っていって秋の適当な時期に収穫するもの。冬の間はエネルギーを根と幹あるいは葉芽に蓄えてじっと我慢する冬越しの形だ。ということは寒さの厳しいエリアはこの秋果を収穫することになる。実を充実させるにはなるべく秋遅くまで頑張るやや耐寒性の優れた品種を選択する。
- 夏果は少し面倒だ。冬が来る前に花芽を付けてそのまま冬越しを済まして春を迎えることができる場合、収穫は夏に可能。温暖な地域では春・夏に実を充実させて夏の適当な時期に収穫する。充実期間を長くとれるので美味しいものができるような気もするが、なんといっても梅雨の高温多湿と盛夏の高温を乗り切るのは大変だろう。だから大きな実を付けたまま長期間の充実は無理に思う。
- 花芽が花(=実)になるので花芽の管理が基本。ネット情報では花芽ができるのは新梢。秋果はその年の春に伸びた新梢に花芽が付く。夏果では前年の新梢についた花芽がそのまま冬越しする。ワンステップ早いので収穫も早い。
剪定と花芽
- イチジクは冬に葉を落とす。葉を落としたところがプックリしていたらそれが花芽らしい。落葉の頃が剪定の時期。秋冬の剪定は翌年の新梢を多く出すように行うらしい。新梢を出させる位置や方向なども考慮するのだろう。
- この剪定の時に花芽を一緒に落としてしまうと先の話の夏果の収穫ができなくなる。夏果を考慮して少しだけ花芽を残す位置でカットする発想もある。寒い地域では最初から花芽は気にしないで剪定する。幹巻きなどで花芽での冬越しにチャレンジしてもいい。
- 春が来てから剪定しても新梢は伸ばすことができるが、エネルギーを充実させて新梢を出すまで時間がかかるので、それから花芽を付けるのでは秋の収穫に間に合わない。と言うことは寒い地域では「冬入り前の剪定は必須」ということだ。
寒冷地と放射冷却
- 冬場に霜が降りるような地域は地表付近が放射冷却で想像以上に低温になっていると考えていい。根は地中にあるし、「マルチング」で低温から容易に保護できる。問題は足元の幹・枝だ。高さ1メートルまではしっかり「幹巻き」をやっておくのは霜予防策として妥当だろう。幹が太くなっていれば神経質になる必要はないだろうが、幼木の間は慎重にケアしていいだろう。
- イチジクは収穫の手間の都合で2メートル以上高くしない方が良さそうだ。だから1.5メートル~2メートルの高さで剪定する。横に引っ張ってY字にできるならそれでもいい。まあ、「毎年1.5メートル~2メートルの高さでカット」していれば何年かすれば水平方向に伸びた形になるだろう。Y字に引っ張るのは収穫の量を早く多くしたい場合。
- 寒冷地のイチジクは苦しいだろう。寒さに慣らすには時間を掛けるしかない。節を多くする~節と節の間を短くする~コンパクトに剪定してゆっくり大きくする。いきなり伸びるに任せて大きく(高く)すると抵抗力のない幹・枝になって寒い冬に地上部が全滅する羽目になる。
- 放射冷却:物体が電磁波を放出して物体の温度が下がること。ガーデニングや農業では庭や公園や耕作地の地表面から電磁波が出て(急速に)温度が下がることだが、全体の気温が下がっている時には温度降下の影響が大きく、霜が下りたり(実際は地表面の水分が凍る)して、根を痛めたり作物を傷めたりする。
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