樹木の幹を太くするには剪定が必要って本当ですか?

http://en.wikipedia.org/wiki/Pruning

樹木の幹を太くするには剪定が必要って本当ですか?

そういうことを言う人がいたのでネットでも調べてみた。ネット上でも肯定的な意見?が述べられている。枝の先へ行く栄養が幹の中に滞留蓄積するので幹が太くなるとか。植物学者の言うことかどうかは分からない。

根っこのパワーをR(ROOT)とする。水や栄養を吸い上げる力。栄養を蓄える力。これは基本的に剪定の影響を受けにくい。(長期間で見ると影響を受けるが。)

枝葉のパワーをL(LEAF)とする。光から栄養を作る力。蒸散によって根の吸引力を挙げる力。剪定の影響を直接受ける。

幹のパワーをT(TRUNK)とする。幹のパワーとは何か。栄養と水分を上下に伝達する力。木が大きくなると導管を太くして伝達力を上げる。大木は太い根っこと、幾重にも茂る枝葉と太い幹で構成される。ここで、幹は剪定のどのような影響を受けるか考える。

応えは直ぐに出る。剪定自体は短期的には樹木のパワーを落とすので幹は逆にやせる。実際はやせることは出来ないから現状維持。少なくとも幹が太ることは有り得ない。

しかし、

自由に伸ばした自然形がパワーLを最大化させるかというと必ずしもそうではない。枝同士がぶつかり合って、あるいは風通しをスポイルすることにより、伸び伸びとした成長が出来ないことがある。果樹類の収穫作業の都合でゆがんだ剪定を行う、あるいは生垣のために無理無理の剪定を行うのは論外として、樹木が生き生きとするような剪定はパワーLの健全な成長・最大化につながる。結果、太い幹を得ることが出来るわけだ。(剪定で幹に栄養が蓄積されるわけではない)

正しい剪定はパワーLRTの最大化を目指すものになる。



ここまで考えれば、しっかりした樹木を育てるには剪定がどのようにあるべきか簡単に答えが出る。

  1. サッカー、シュートの類はカット。
  2. 樹木の中心部に向かう枝はカット。内向きの枝は風通しを悪くするし、正しく成長する枝にぶつかるし、内向き枝の葉は光合成能力も低くなる。中心部で立ち枯れている枝も当然カットします。
  3. 同じ方向に向かう平行枝はどちらかをカット。正しくはカットによる方向チェンジ。
  4. 枝の方向分布は水平方向360度、垂直方向180度に向けて出来るだけ均一に伸びるようにカットする。
  5. 徒長枝はカット。徒長は適切に分岐しない枝のことで光り空間占拠に対する効率が悪い枝となる。適切に切り戻して分岐を促すか分岐の素質がない場合は枝元からカットする。
  6. 何処までシングルラインで伸びたら徒長と看做すかは樹木の性質によるし、期待する樹形にもよる。勝手に決めればよいが、足の長さ(1フィート)、顔を長さ、手の平を伸ばして親指と適当な指の間の長さ、など。物差しで何センチとやってもいい。
  7. 具体的にカットする位置は新たな枝が伸びるであろう方向が光り空間占有率向上につながるかどうか考えて決めること。
  8. 手が届かない高所部分の剪定はなるべく自然樹形で済ます。作業が危険だから。高枝バサミが届く範囲は、少々努力しても良いでしょう。それ以上拘りたい場合はプロに入ってもらう。
  9. 樹形を決めるカット。葉が茂っている時は分かりにくいので冬にやります。光り空間を満遍なくカバーしていても枝毎の配分が悪い場合があります。その場合は枝が多すぎるエリアは枝を間引くカット。枝が隙間だらけのエリアは枝分岐を促すカットを行います。素人が大手術をやると全体がショック死してしまいますから、3年に1度くらいはプロに入ってもらって手術をしてもらいましょう。ショック死覚悟で自分でやっても全然構いません。手術すると戻るのに3年くらいは掛かります。プロに頼む場合も長く付き合えるところを頼むべきです。最悪からしたら代替樹木を用意するくらい覚悟の有る信用を大事にするところです。
 ※
  • タイトルの答えはYES。
  • でも何でも切ればいいものではありません。剪定の要件を満たす必要があります。


究極の馬鹿チョン剪定術:
  • 兎に角、どんな枝でも最後の分岐から20センチ以上伸びたら20センチの位置でカット。期待される枝分岐の方向は外側・上側にする。分岐しない場合は更に20センチ戻してカット。この方法での最初の剪定は冬場に実施するが、後は年中いつでも気が付いた時にこのルールでカットする。


剪定と刈り込み

刈り込みは表面的アプローチ。枝葉の表層部をバリカンなどで切り詰めえる。

剪定は枝・幹に着目して樹形を管理するために行なう。伸ばす方向・見た目のバランス・日照または日陰の工夫など。住宅地などでは隣家への迷惑なども配慮して樹木のサイズを維持するためにも行なう。都市部ではサイズ維持の目的が大きい。



広葉樹の剪定は任意の場所をカットしても根にパワーがある限りはまた新しい芽が作られて枝葉が伸び始めるので、あまり気を使うことはない。とは言え、大きくカットし過ぎるとショック死することもあるので、慎重な態度はやはり必要。

針葉樹は難しい。先ず、根にパワーがない。葉が吸い上げてやらないと水も栄養も上がってこない。枝の先に葉が残っていないとその枝は栄養が取れず枯れてしまう。いい加減な刈り込みをやると葉っぱの部分を失って枯れ枝を作ってしまう。広葉樹のようなバリカンでの刈り込みは枝葉の具合をしっかり確認してからでないと難しい。(何も知らない人が親切のつもりでやった剪定が大変な結果になる話は尽きない。)