粘土質の土壌を改良する方法について(1)
粘土
粘土質とは粘土のように土の粒子が仲良しで良くくっ付く性質を持っている。適度に水分を入れると力を加えればぐにゃぐにゃさせて色々な形に変形できますが、乾くとカチカチになって其の形を維持する。粘土の人形もあれば器も有る。
適度に水分を含んだ粘土は、しかし、水も空気も遮断する物体でしかありません。圧力を受けるとゆっくり変形する一種の液体性を持っているとも言えます。地面下の粘土は丁度この状態でしょう。
一方表面の粘土は乾くとカチカチになって土ぼこりの原因になります。雨が降ると水溜りとどろどろの泥濘(ぬかるみ)に変わります。
良い土・求める土は水と空気が適度なスピードで移動できる空間(隙間)を持った土ですが、粘土は集まるとその隙間を消して移動をブロックしてしまいます。
どうすればよいか?
(1)造園業者に頼む
造園業者に頼んで一気に全部入れ替えてしまう。樹木類は植えなおすことになる。一番ストレスなく出来るのでベター。ゴロ石や赤土や下手な造成地の家を買ってしまったら借金してでもやってしまいましょう。
(2)土壌改良自体を楽しむ
日曜大工を楽しむように土壌改良自体を楽しみたい場合はお金を払ってまで楽しみを外に出すことはありません。
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粘土質土壌改良を楽しむ手順
- 雑草も生えず土がむき出しのところ。ここは泥と土ぼこりの原因で一番始末が悪いので、最初に手を打つ。チップで表面をカバーします。腐葉土またはバーミュキライトを浅くかぶせてからチップでカバーしてもいいです。
- 縦穴を掘る。ペットボトルが一本立てて納まるくらいの狭い面積で構わないが深め(30センチ~50センチ)の穴を掘る。適当な道具と根性と体力があれば1メートルの深さでもいい。
- 開けた縦穴に腐葉土(手作りの腐葉土もどきでも良い)、バーミュキライト、籾殻(もみがら)、黒土、石灰(少量)、砂(少量)などを入れる。落ち葉や生ゴミまで放り込む人が居ますが、ミニマムの処理をして腐葉土もどきにしてから入れてください。
- 土壌改良剤・ぼかし(?)・木酢液とかも入れていいでしょうが、一気に混ぜ込むのか特別な手順があるのかは分かりません。其の他、牛糞肥料などもミックスしていいですが、発酵乾燥が完了した無臭のさらさらしたようなもの少量入れるにとどめたい。変なものを入れると土壌改良に逆行することになりかねません。
- 縦穴を埋めるときのレベル(高さ)は周りより5センチ~10センチ程度高くなるようにします。改良済みの目印になる、チップを乗せなくて良い、ふかふかなので直ぐに凹んでいくなどを考慮したものです。
- 縦穴を開けるときに出た土(粘土質)を利用する場合は、篩いに掛けて石や根っ子やゴミを除去し、腐葉土などに混ぜ込んで使います。其の割合は30%以下を目安にします。縦穴に戻しても構いませんが、土壌改良を主眼とする場合はなるべく戻さないでプランターなどに使います。
- 縦穴の数は粘土質の強弱で判断しますが、実際には普通の民間人には分かりっこありません。取り合えず縦横1メートル置き(1辺1メートルの正方形の4隅)に穴を空けるイメージで。
- 馬鹿みたいに縦穴を黙々作るのも嫌ですから、花とかを植えるついでにやればいいですね。季節ごとに植える花の場所を変えていくうちに庭全体の改良が進む。
- 縦穴式改良法は、地表に土がむき出しになっているところから優先して取り組みます。
- 次に目的のグランドカバー(シバなど)がなかなか定着しないところを優先する。
- 縦穴を掘るときに樹木の根を切らないように注意すること。大事な木を枯らしては本末転倒です。
- パワーがある人あるいは時間が無い人はペットボトルサイズではなく、1メートル×1メートルのサイズで掘り起こして改良を進めても良い。この場合は掘り起こした土はミックスして戻すしかない。掘り起こし作業・天地返し作業(耕すという)は厳寒の真冬に行うこと。理屈は無い。昔からの慣わしだ。同じ場所を毎年耕しても良い。春になったらシバを張れ、花を咲かせ!。
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